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“DOG BEHAVIORIST(ドッグビヘイビアリスト)”?

(小難しいのはあとで読みたい..まずは例題から知りたい!という方は↓の例題から読んでみてください☺)

 

元々はBehaviourist-ビヘイビアリスト-行動主義者,または行動学者と訳される固有名詞からきており心理学者を指すことが一般的であります。これは心理学辞典などにも記載があります。“ドッグ”ビヘイビアリストは動物の専門家育成、認定機関によって行動科学を学び、一定のカリキュラムを修了した、犬を専門とするビヘイビアリスト、ということで「ドッグビヘイビアリスト」という名称で呼ばれるものであります(民間資格のため、認定機関によって学問領域の違いはあり得るでしょう)。

元々の「ビヘイビアリスト」については100年以上の歴史的背景があります。心理学が誕生した18世紀後半、“なにが人間をそのようにさせるのか”という疑問に、当初は内省法(その個人が意識の経験を報告すること)を扱い、心的過程(意識や意思)を研究しようとしました。しかし、こうした実態のない「こころ」の報告はその当人しか体験できないものであり、初期のビヘイビアリストとされる人物はそれを科学と認めませんでした。そして、現在においても「~と思ったからOOの行動をした」と、生物の内部で起こっている心(脳)の出来事が行動の始動要因であり、行動の原因は「心や脳の仕業である」というのが一般的な解釈かと思います。

一方で、ビヘイビアリストがもつ行動観「ビヘイビアリズムー行動主義ー」では行動を考えるとき、これらとは異なった考え方をします。

私ドッグビヘイビアリストも然り、行動の前にどのような心境、感情、状態であったか、ではなく、もしその状況をビデオで撮っていれば誰が見ても同様に確認できる出来事、行動に注目して、分析、介入のご提案をさせていただいております。

このような行動の捉え方、扱い方は、現在では「行動分析学」という学問領域で説明されます。心理学分野の中でもある意味、異彩を放つ。といっていいのではないでしょうか。内的過程を行動の原因とせず、観察可能な行動を変数として扱い、物理の世界と同様に、自然界の法則を明らかにするための、明確な行動科学哲学として扱われます。

そんな中、応用分野では、発達障害や、自閉症への行動療法、定型発達の子供の困った行動への介入、動物の行動における行動変容アプローチとして、大きく成果をあげています。また、学校の教育への導入、会社組織の行動マネジメント(人材育成)、スポーツにおけるコーチング技術、など世の中の人々の“行動”について、役立つ学問としても知られます。実はこの学問、犬のトレーニングにも非常に密接であります。

と、あまり小難しいことをべらべら言われても知らんがな。そんなお声も聞こえてきそうです

ではここで一つ、ビヘイビアリストと、一般的な行動の捉え方との違いを分かりやすく例でみてみましょう。

 

例 飼い主さん)

ーーー犬と散歩から帰ってきて、足を拭こうとしたら噛みます。うちの子は以前にもトレーナーさんに“柴犬だから”  “我が強い”といわれました。“イライラすると”すぐに口が出ます(噛みます)。どうしたらいいでしょうか。

とのこと。非常にお困りになっている様子です。

では次にその様子を見た時のビヘイビアリストの分析の仕方、表現はこうです。

 

ビヘイビアリストの頭の中)

“足に手が触れている→噛む→足に手が触れていない 

なるほど、噛むことで「触る」ことが一時的にでも終わり(取り除かれ)、行動が続いているのか。ということは触られるのが嫌なのかも..

じゃあ、触った瞬間(または触ろうとする動作を見せたあと)に今とは違う出来事(犬が好きな物🍖)を用意してみようかな。

​​“”内で書かれている記述の、どこに違いがあるでしょうか

飼い主さんの表現では、

「気が強いから」「〇〇犬だから」「イライラしたから」噛んだのだ。といった一般的なものに対して、

 

学問的な分析は、簡潔すぎるぐらい、非常にシンプルな分析、記述であることがお分かりになるかと思います。

「足に手が触れている→噛む→足に手が触れていないと記述されている。つまりは、

手が接近または触れた時に噛み直後には手が離れた。

行動前の状況(環境)行動行動後の状況(環境)とシンプルに三つに分けられています。

上記の一連の状況で現在もその行動が継続されている。つまり現在は「噛むという行動」は触られることからの逃避と回避、という機能をもっている。その出来事(足ふき)は今、犬にとって不快であるかもしれない。という分析になります

 

原因の分析をするにあたり、犬種、性格、その時の気持ちや感情状態、などは一切含まれないことが大きな注目ポイントです。

 

一般にはその動物の行動の原因は、「~と思ったから~した」というように身体の内側で起こること(意識、思考) でなんらかのこころの動きがあって行動したのだ!といわれます。しかしこの学問では、行動の前後の環境が変化したこと(上記でいえば黄色の部分)に注目すべきである、と考えます。犬であれば、その犬がどのように思っているか、犬種は何か、性格はどうか、ではなく

犬の周りで実際に何が起こったのか、に注目します。それはビデオで撮影していれば実際に目で確認することのできる行動や、出来事であり、目で確認できることであれば、操作(介入)することを可能にします。

ですから、私たちがクライアント様からお悩みを受けた場合、質問の仕方はこうです。「犬が噛む直前の状況はどのようなときですか、なにをしたらそうなりますか」「犬が吠える場合、吠える前の状況吠えた後の状況を詳しく教えていただけますか」または「動画を見せていただけますか」とお聞きするでしょう。

すぐに「~ですね」「こういう問題はこうです」のようにはお答えしません。必ず学問をベースにした専門的な分析が必要です。ある犬の環境は、細かく見ればそれぞれ必ず違うはずで、違った原因があるかもしれません。

そして、「普段どういう性格の子ですか。気が強いですか。甘やかしていますか」といったような犬の性格や気質などを分析の材料にすることは、学問的にはあまり役に立ちません。今、目の前で明確に起こった行動とその周りにある環境(飼い主さまの動きなど)を分析します。

 

このように行動と環境はもちつもたれつの関係で、密接に影響し合っていることが、学問によって裏付けられています。

行動分析学のわかりやすい特徴としては、犬の行動の原因を、犬の心の働きのせいにせず、犬種のせいにせず、人の(飼い主さま)のせいにもしない。といってよいでしょう。

例:「この子は今こう思っています」「この子はこういうタイプ、性格ですね」「飼い主さんの意思、態度がしっかりしないと..」などこのような行動の説明は、行動分析家(ビヘイビアリスト)では認められません。人も犬も、互いが影響し合っており、互いが “環境” なのです。その相互作用で行動が作られ、強められ、弱められる、というように徹底的に考え、学びを続けるという、ある種信念をもって仕事をしています。これらはビヘイビアリストの大きな特徴といえるでしょう。

 

犬という動物を相手にするため、犬とはどのような動物で、犬にとっての“普通の行動(望ましく犬らしい)”とはなにか、どのような生活を送ることが出来れば快適であるか、というような動物行動学、動物福祉学の視点も忘れることはありません。必要であれば環境を整備していくようアドバイスをさせていただきます。

 

飼い主様には、行動科学に対する理解を深めていただき一緒に取り組んでいく姿勢を持ちます。普段愛犬と暮らしている飼い主さまこそが、おおきな環境要因であり、唯一の救世主なのです。

また“ドッグビヘイビアリスト”という称号は、英語圏、またはEU諸国では獣医師や専門家の間でも比較的広く認知されている立場を取っていますが、これらは法律によって管理された国家資格ではありません。したがって法律上では誰でも名乗ることが可能です。もし、重度の問題行動(分離不安症,騒音恐怖症,攻撃行動,自傷行動など)にお悩みで専門家に依頼される場合は下記を確認されることをおすすめします。ドッグビヘイビアリストであれば、ホームページなどで認定の有無や、どのように行動について学び、述べているかが確認できれば望ましいでしょう。獣医さんであれば米国獣医行動学専門医(Diplomate, American College of  Veterinary Behaviorist)、獣医行動診療科認定医の方にご相談されることをお勧めいたします。通常は、獣医さんは“獣医”であり行動を専門にしていません。もし医学的問題と併せて、“行動”についてもご相談される場合には上記のような獣医さんが望ましいでしょう。

当方は下記ドッグビヘイビヘイビアリスト養成機関にて課程を修了、認定を受けたドッグビヘイビアリスト,ドッグトレーナーです。

・DBCA(Dog Behaviour Counseling Association-犬の行動心理カウンセリング協会-)

・JDBA(Japan Dog Behaviourist Association-日本ドッグビへイビアリスト協会-)

※DBCAは国内で唯一、英国最大級の動物通信教育機関である「compass」の教材を採用している養成機関です。

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